
「戦災」は自分自身が遠すぎて届かない。
そう思って躊躇してしまう<私>がいました。
震災やコロナ禍。これまで文化人類学の授業をする中で、災厄の記録=表現について大学生と一緒に考え続けてきました。
しかし「戦災」には触れることができなかった。
今回、子どもたちの慰問文や女性たちが作る千人針、当時の新聞や雑誌、教科書など市井の人々が戦時中に遺したもの。それらを現代の学生たちと一緒に手にとり対話をしてみました。
「お国のために死ぬ」ことを尊ぶ気持ちと「大切な人が生きていてほしい」と祈る気持ち。
当時の人々の矛盾する想いに戸惑いながら思いを馳せた、その記録です。